塾講師の書き散らし〜for teachers,for parents〜

現役文系塾講師の【まに先生】が書き散らす、塾講師になりたい人や現役塾講師の皆様、コストをかけずにお子様の学習&学力アップをサポートしたい保護者の皆様向けのブログです。

【誰でも先生になれるかもしれないシリーズ①】まさか国語の先生が・算数編

自分が思ってもみなかった分野に可能性が眠っている……そんなお話を聴いたことはありませんか?

「自分は社会の教員免許を持っているから、算数なんて無縁」

「算数とか数学は大の苦手だったから、誰かに教えるなんて無理」

と思い続けてきたはずなのに、まさか、そんな機会がやってくるなんて。

私の場合は

「持っている教員免許は高校の国語だし、算数や数学は黒歴史でしかないから、まさか人に教えるなんてことはないだろうな……」

と思っていたのです。

しかし、その【まさか】が起こりました。

今回は、私の実体験をふまえて【誰でも先生になれるかもしれないシリーズ】と題しまして、算数と英語をどのようにして生徒に教えられるようになったのかをお話しさせていただきます。

英語編はこちら

maniteacher.hateblo.jp

 

◆学習塾にとって需要があるのは英語・数学(算数)>国語という現実

小学校教諭であれば、どの科目も指導できる必要がありますが、中学校や高校の先生であれば、持っている専門科目の指導がメインになります。

高校の国語の免許を持っている私にとって、学習塾で授業をすることも国語であると思い込んでおりました。

しかし、講師採用面接では、以下の話をされるのですよね。

「学習塾で、学びに来る生徒たちが受ける科目は、圧倒的に英語と数学・算数なんです」

……(゜Д゜)

……ちょっと待ってくださいよ、と。

私の英語と数学・算数なんて言ったら、

英語=苦手ではないのに平均点あたりをうろついていた

算数=中学受験で意味不明な図形の計算や文章問題に散々泣かされたトラウマ

数学=中1の夏休み前の「正負の数」で脳内がカオスになって授業に付いて行けず、担任の先生(数学)に親が呼び出されるレベル

……こんな黒歴史しか存在しないのです。

それなのに、ニーズに合わせてトラウマをなんとかしろと??

できれば、私の専門分野である国語に特化して「いやいや!みんな古文やりましょうよ!!動詞の活用とかやりましょうよ!!」とゴリ押ししたかったものの、当時の私としては「拾っていただければ御の字」という想いが強かったため、背に腹は代えられない状態でした。

 

◆社会人になってからの【一般常識】とは

しかし、落ち着いて振り返ってみれば、現役当時の私は、現在の小学生・中学生・高校生と同じであり、義務教育課程や高校教育を経て大学を卒業し、社会人になってもずっとその黒歴史を引きずり続けてきたのですよね。

そして、転職の際の採用面接試験では【一般常識】としての筆記試験が行われます。

学習塾業界ではなく、社会人デビュー後の初めての転職にて、募集要項でこの文言を見た私は「何のことやら?」と謎に感じた【一般常識】ですが、これこそが【義務教育課程で学んできたこと=高校入試で問われること】だったのです。

「なんで、今更―――――!?(゜Д゜lll)」

問題用紙を目の前にした私は、心の中で絶叫しながら絶望したものでした。

つまり

【義務教育=中学生までで学ぶ、生きてゆくうえで必要になる知恵の源となる基礎知識=社会人になったら知っていて当然のこと】

という関係図がこの世の中に暗黙の了解として存在していたことを知ったのです。

「学生じゃなくなったから、学校卒業したから、もう関係ないや♪」では済まされないものだったのですね。

むしろ、逃れられない、現実に一生付きまとってくるもの(ス〇ーカーレベル)だったのです。

これを教訓に思い返して作成した動画がこちらです。


www.youtube.com

 

◆【子ども目線】で考えてみた時に見えたもの

実際に算数の授業をするにあたり、まずやってみたことは「復習」ですが、この場合は「授業としての予習」になります。

現在、生徒はどのような単元を学習しているのか?

それをまず、自分で解いてみることで、考え方を思い出したり、苦手だったところは解説を見ることで「そうだったのか」と理解したりします。

それと共に重要なことは【子ども目線で考える】ということでした。

私たちの感覚は、どうしても今ここまで積み重ねてきた「大人目線」になります。

それを子どもたちに伝え、理解を深めてもらおうとすると、大人目線の言葉では伝えることに限界が生まれてしまうのですよね。

「ここは、こうなるよね。だから、こうでしょ?」

といくら説明したところで、理解しているのは【大人目線の大人】になるため、それを子どもが理解するのは難しいのですよね。

そこで必要になるのが【子どもにもわかるように伝えること】ですが、多くの塾講師や先生たちは、そこが大きな壁になってしまうことも少なくありません。

よく、講師研修で伝えられるアドバイスは【実際の学年よりも2つ下の学年に接するようにしてみる】というものになります。

「2つ下の学年」を、生徒によっては「3つ下の学年」にしてみてもいいかもしれません。

算数の場合は、これをアプローチできる効果的な方法が【図解】になります。

※こちらは、当方の教材からの引用になります

maniteacher.hatenablog.com

言葉だけでなく、生徒と一緒に計算をしてみたり、図形であれば仕組みや変化をカラーペンを使って見やすく解説してみることで【視覚的なアプローチ】となります。

これが小学生には効果抜群です。

「なかなか伝えられない……わかってもらえない……」

という悩みを抱え続けているうちは、本当に正直申しまして、算数を担当するのがつらくて仕方なかったのですよね……。

しかし、自分自身への理解のアウトプットのためにいろいろ自由に書き出してゆくと、

「あれ?こういうところって、こんな感じで書いて見せちゃえば、子どもたちも理解しやすくなるんじゃない?」

ということに気づいたのですよね。

更には

・こちらが書いた図に線や角度を書き足してもらう

・こちらが書いた計算式の続きを書いてもらって解いてもらう

という共同作業も、子どもたちに「自分も先生と一緒に授業を作っているんだ!」という実感が生まれ、【ただ聞いているだけの、解いているだけの、答え合わせしているだけの授業】という感覚から抜け出せます。

それからは、算数を担当することに「生徒と一緒に考えること」が楽しくなっていきました。

 

◆実は【脳トレ】だった算数

算数を通じて気づいたことは、子どもへの接し方だけではありません。

実は、算数って【脳トレ】なのですよね。

難しい問題を解かなくても、ちょっとした計算やパズル感覚で脳を活性化できるのです。

その【脳トレ】がもたらすメリットとしては、以下のものが挙げられます。

 

1) 脳のアンチエイジング&自分らしく生きる

計算問題や図形問題は、左脳と右脳をバランスよく使います。

【左脳】は理論や言語を司り、【右脳】は直感や感性を司ります。

人生経験を重ねてゆくにつれ、どうしても人間は左脳を使うことに偏りがちになります。

そうすると、「自分はどう感じるか、どう考えるか」という右脳の力が弱まってしまうのです。

周りに流されたり、相手の顔色をうかがってしまったりと、何かと「自分を抑えがち」な方は、脳科学的にこの傾向が強いとされています。

つまり、左脳と右脳をバランスよく使うことは【自分らしく生きることができる秘訣】を左右するカギにつながります。

これが脳を刺激し、脳の若さを保つ効果が期待でき、はつらつとした自分軸に沿った日々を過ごしてゆくことができるようになります。

 

2)思考力を鍛える

算数は、ただ計算するだけでなく「どう解けばよいか」を考える科目です。

仕事や日常生活で必要な論理的思考力を自然に磨くことができます。

・計算=買い物

・時間=行動のスケジュール管理

・面積や体積=部屋の中を片づけたり、イベントでものをどこに配置するかを考えたりする空間の整理

……などですね。

ゲームでパズルが根強い人気であることも、実はこういうことなのだと思えます。

 

◆算数の授業は、私に【生きることの楽しさ】になるエッセンスを教えてくれた

このように、思ってもみなかった「算数の授業をする」という転機を迎えた私ですが、今ではむしろ「算数の授業をお願いします」と依頼されると嬉しくなってしまいます。

メインは国語と英語なのですが、算数は生徒と一緒に「完成への過程」を見ることができる科目なので、また違った楽しさを感じております。

「あれ?まに先生、数学はやらないんですか?」

というご質問をいただくこともございますが、中1・中2の計算はOKですので「要相談」といった状態です。

もしかすると、その他の単元もわかるようになると指導可能になるので、新たなチャレンジとして候補に挙がっていると言えます。

今は「中学生の数学に入る前に、その大切な基礎となる小学生の算数をしっかり身につけてもらいたい」というミッションで授業に取り組ませていただいております。

coconala.com

 

ここまでが、【国語の先生のはずが算数を担当することになった私】のお話になります。

いかがでしょうか?

皆さんの中にも、同じようなご経験の方がいらっしゃるかと思います。

また、「やってみたいけれど……」と迷われる方への、これから一歩踏み出せる勇気づけになれましたら嬉しいです。

このお話から「誰でも先生になれるかもしれない、なれるんだ」ということを感じていただけることを願って【英語編】もお届けいたします。

あわせてご一読いただけますと嬉しいです。

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